配車アプリ。
既存のタクシー業界を揺るがす程、便利なアプリだと聞きます。
実際どうなのか、使ってみて検証しました。
配車アプリを勧める理由
東南アジアの旅行者に大人気のアプリ、GrabとBolt
これらのアプリが無い時代も、タクシーはありました。
しかし既存のタクシーではトラブルが多く、それを避けるために気を使う必要がありました。
トラブルの例として、
- 高い (Boltで200Bの所を、500Bでどうだと提案される)
- 違う場所で降ろされる (そこまで行くには追加料金がいると言われる)
- 料金の交渉 (乗車時に200BでOKしたのに、後から一人当たり200Bだと言われる)
- 交渉の言語 (英語が話せないドライバーとの料金交渉もある)
全てのドライバーが悪い人ではありませんが、このような煩わしいドライバーに当たる可能性もあります。
そこで配車アプリはどうかというと、上記すべての問題を解決しています。
- 安い
- 行き先を決めてから、配車するか決定する。(ほとんどの場合GPSで設定した通りの場所で降ろしてくれる。渋滞が激しい、停まる場所が無い等の例外もあると思われる)
- 料金の交渉をしなくてよい (まず行き先を決め、料金が決定する。その料金でよければ、配車するかを決定する)
- 言語の問題がない (料金も行き先も決まっているので、ドライバーと話す必要がない)
かなり便利で、グーグルマップに並ぶ神アプリです。
タイでの、GrabとBoltの違い
タイでは、GrabとBolt、inDriver、3つの配車アプリがあります。
inDriverはまだ認知度が低いという事で、今回の旅行ではGrabとBoltをダウンロードしていきました。
inDriverは低価格で、ドライバーとの交渉もできるようなので、次回の旅行では使ってみようと思います。
Grabのメリット
- カード決済できる
- タイのほぼ全域をカバーしている
- ドライバーとのチャットで写真が送れる
Boltのメリット
- 安い
- 日本語で検索できる
両方にメリットデメリットはありますが、私の今回の旅行ではBolt20回とGrab2回を使用、Boltの圧勝となりました。
Boltのメリットの「安い」が、Grabに比べて圧倒的だったのです。
実際の料金比較
カオサンロードからドンムアン空港、27km
自動車 Boltは226B、Grabは448B (Boltの1.98倍)
バイク Boltは211B、Grabは277B (Boltの1.31倍)
vince hotelからEMQ、5.3km
自動車 Boltは129B、Grabは165B (Boltの1.28倍)
バイク Boltは51B、Grabは64B (Boltの1.25倍)
ボーベー市場からvince hotel、3.9km
自動車 Boltは83B、Grabは157B (Boltの1.89倍)
バイク Boltは39B、Grabは51B (Boltの1.31倍)
プーケット空港からbaan baan hostel、32km
自動車 Boltは486B、Grabは668B (Boltの1.37倍)
baan baan hostelからパトンビーチ、15km
自動車 Boltは215B、Grabは527B (Boltの2.45倍)
パトンビーチからbaan baan hostel、15km
自動車 Boltは200B、Grabは557B (Boltの2.79倍)
比較対象は9個
Grabの平均料金は、Boltの平均料金の1.74倍という結果になりました。
Boltで500円で行ける所が、Grabでは870円
Boltで2000円で行ける所が、Grabでは3480円
2倍以上の差になったプーケットの2件を除いてみても、1.48倍。
これが、Bolt圧勝の理由です。
今回の約10日間の旅行でBoltを20回、Grabを2回使いました。
それでもGrabを2回使った理由は、
- 近距離で、早く捕まるのがGrabだった (近距離なら、160円か200かの違いしかないためどっちでもよかった)
- 比較せずにGrabで予約してしまった (その後Boltの方が安い事は確認したが、すでに呼んでしまったのでキャンセルはしなかった)
この2回のみで、全22回Boltでも良かったです。
なぜ同じような配車アプリでここまでの価格差になるのかは謎です。
使い方のコツ
ここまで書いてきたように、断然Boltがおすすめです。
実際の使い方について、コツを紹介します。
① 検索ワード
Boltは日本語で行き先の名前を検索すれば出てくるのに対し、Grabは日本語対応していません。
「アソーク」「チャトチャック市場」等はもちろん、「薬局」「ホームセンター」等、グーグルマップと同じような検索の仕方ができます。
Grabでは、「Asok」等英語表記での地名、または住所、又は地点を地図上で設定する必要があります。
② ナンバーの確認
配車を完了すると、現在のドライバーの位置をリアルタイムで見る事ができます。
車種や車の色、ナンバーも確認できるので、車が到着したら念のためナンバー等の情報を確認してから乗り込みます。
理由はわかりませんが、たまに車種もナンバーも違う車で来るドライバーもいます。
その場合は配車を完了して車が到着するまでの間に、実際使っている車のナンバーをアプリ内のチャットで連絡してくる事が多いので、合流できるまで常にアプリは確認しておいた方が良いでしょう。
③ 停車位置や方向を考えてから配車する
広くて誰もいない場所で配車をすれば、ドライバーにすぐに見つけてもらえます。
しかし市場の飲食エリアなどで配車手続きをしてしまうと、ドライバーはそこまで車で入れないため、合流するのに苦労する事があります。
車が停めやすい場所で配車するか、ピンの位置を微調整する、なおかつ車の進行方向と目的地の方向が同じ車線で配車すると、煩わしい問題が減るでしょう。
私の場合、ドライバーからアプリの通話機能で電話がかかってきた事が2回あり、2回とも位置の確認でした。
運転しながらのチャットは難しいので、電話で確認したいんだと思います。
1回目はGrab利用時。
電話があったものの、英語がわからないドライバーで結局合流できず、ノーショーとして手数料だけ取られました。
この1回目は、私がもっとわかりやすい場所で配車手続きをしていれば防げた問題でしょう。
2回目はBolt利用時で、これも位置の件でした。
現在地から目的地までの道は、南へ行って西に曲がるのが最短。
それを考えて、私は南向きの車線上の、わかりやすいバス停の前で配車手続きをしました。
しかしマッチングしたドライバーの現在地が、私のいる位置より南だったため、ドライバーは北向きに走っていました。
片側4車線ぐらいで渋滞中、中央分離帯もあったため、Uターンは難しそうでした。
そのためドライバーは私に「反対側の北向きの車線に移動してくれないか」と電話をしたのです。
この時は私が反対車線に移動し、無事合流できました。
通話品質の問題、言語の問題を避けるため、できるだけ通話せずに合流できるように配車時に工夫した方が良いでしょう。
ドライバーとの出来事
1 おつりが無い
朝8時ごろ、バイクで近距離、支払いが39バーツだった。私は100バーツ札しか無く、ドライバーはおつりが無いとカラの財布を見せて言う。降りた場所の近くに屋台やコンビニも無かったため、私は100バーツを支払い「おつりはいらない」と言い立ち去った。その日は一日中泣きながら観光したという。
注 100バーツ=400円
2 仲良くなった
Boltのドライバーと40分ぐらいのドライブ。バンコクの交通事情や日本車の良さ、欲しい日本製バイクの事等を英語で話した。親日家で2カ月後に日本に旅行に来る事がわかり、連絡先を交換した。その後滞在中にアユタヤ観光のために丸一日付き合ってもらい、事前に友人価格として激安価格を提示されていたが、倍近くを渡した。(それでもアユタヤ一日の相場より安い)
日本に来た時は無料でタクシードライバーをするよと伝えた。
これを執筆している時点であれから2週間になるが、未だに毎日家庭の事や仕事の事を連絡し合っている。
3 お金を貸してほしいと言われた
プーケットのドライバー。英語は苦手なもののおもしろいドライバーで、連絡先を交換。その翌日にLINEにメッセージがあり、車を修理する必要があるので4000バーツ貸してくれないか、との事。できれば修理工場まで持ってきてほしい、毎日1000バーツ返すから助けてくれと、ジャッキアップした車の写真を送ってきた。私はたまたま日本に帰るためプーケット空港にいたのでそれを伝えると、「わかったありがとう、またプーケットに来た時は連絡をくれ」とメッセージが。いやいや、もう連絡する事はないだろう。
配車アプリでの乗車中は、基本は無言で問題ありません。
私のように楽しい事も煩わしい事も全部経験したいような人は、いろんな人に話しかけると良いと思います。